「美顔水」「明色アストリンゼン」などのメーカーである桃谷順天館様のご依頼で、
トレンド・プロとのタッグで作りました。
桃谷順天館の創業の物語です。
桃谷順天館はひじょうに歴史が深いメーカーで、この創業の物語は明治からですが、
主人公の桃谷政次郎さんが生まれたおうちは薬種商で、紀州徳川家のお膝元で
代々庄屋をつとめた家柄。
明治の廃藩置県で徳川家が離れ、土地が暴落し、苦境に立たされた桃谷家。
それが、本来なら地元にとどまり、伝統を守っていく立場の跡継ぎが
「賭け」に出るきっかけになったのですね。
妻や先代の反対を押し切って紀州から1か月もかかる東京の大学に
高名な学者さんを訪ねに行きます。
場所が和歌山県なので、ええ、背景にみかんなのです。
お墓の場所も取材に行きました。
妻のコウさんはニキビに悩んでいます。夫の政次郎さんは、
「順天の教え」に導かれ、家の存亡も賭けて旅に出ましたが、
一緒に耐えてくれる妻のことも忘れていなかった。だから・・・?
ですが前の道路を拡大したときにセットバックされ、ほとんど建て替えているので、
外観以外は現地取材の資料写真は使わず、
明治時代の「薬種商」がどんな店構えだったか、ネットや歴史資料館などで調べました。
歴史的事実だけでなく、たとえば右のページの山の稜線などは、
現地で撮った写真から起こしました。
200年も前の話ですし、集落などは片鱗もないかと思いますが、
現地の「空気感」は再現できたと思います。
左ページの帝大(現・東大)の赤門なども
この時代の医学部のあるところはどこなのだ・・・と、
調べるのに手間かかるかかる!
着手からかなり時間をかけて作り、できたときは関係者全員ヘトヘト;
ですが、そのぶん、完成したときの喜びは大きかったです。
これが最終形態。
小冊子になったもの。(中面には、歴史のテキスト・画像ページも入ってます)
デザインは桃谷順天館のデザイナーさんが手掛けられたのですが、
ふわんとした上質の白の紙に、エンボス加工という贅沢さ。
創業20数年のトレンドプロのディレクターが
「漫画の小冊子でこんなに凝った装丁してるの見たことないです。
うらやましいです!」とおっしゃっていました。
まるで宝物みたいに作ってくださったんですね。
脱稿したとき以上に感激しました。
これはまず桃谷順天館の「社史」のひとつとして社員教育に使われ、
商品開発物語として広告にも使われるそうです。
(なので、英語版・中国語版と3ヶ国語で作っています)
↑英語版です
社員さんからは「妻のコウさんが魅力的」というお声をいただいております。
主人公以外の人物像は想像で描くしかなかったのですが、
桃谷順天館の未来を担う社員さんに魅力を感じてもらって良かったです。
こちら第二の主人公、美顔水です。
ニキビで悩む多くの方へ。
「順天」の想いをのせて。
★★フルカラー24P、全編はこちらからご覧いただけます。
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■桃谷順天館物語~美顔水編~(桃谷順天館)
【制作時期】2012年7~10月
【仕様】小冊子 漫画部分:カラー24P
【ジャンル】社史
【制作チーム】
・ディレクション / ad-manga(トレンドプロ)
・ネーム(コンテ)制作 / 此花あかり
・人物作画、背景・人物着色 / 此花あかり
・背景作画 / 橘ニシキ
・背景着色(部分) / 會澤博子
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